事務・作業系の就労移行ってどんな内容なの?事務系の就労移行の元支援員が解説!!

事務系の就労移行の元支援員が解説!!

みなさんこんにちは!就労移行情報まとめです。
前回は日本初!就労移行のカオスマップを作成して、就労移行には大きく事務・作業系、Web・IT系があることを説明しました。今回は2回に分けて、就労移行の種類別の詳細について説明します。初回は、事務・作業系の就労移行ではどのような内容を行っているのか、事務系の就労移行の元支援員が解説します!!

この記事のサマリー

事務系と作業系では内容、適性に大きな違いがある。
適性があるか確認するために、体験通所は必ずしよう。
事務・作業系の就労移行で一番大切なのは勤怠の安定。

目次

就労移行は大きく事務・作業系とWeb・IT系がある。

就労移行は提供するサービスで大きく事務・作業系とWeb・IT系にわかれます。今回はその中でも事務・作業系の就労移行を解説します。事務・作業系の中でのより細かい分類やWeb・IT系の概要についてはこちらを参考にしてください。

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就労移行の大半は、事務・作業系の就労移行である。


感覚値になりますが、就労移行のおよそ7割は事務・作業系です。というのも、Web・IT系は近年、目覚ましく事業所を増やしてきていますが、障害者雇用枠での就職を希望する方には根強い、事務・作業系の就労移行のニーズがあるためです。というのも、通所期間が短い点と障害者雇用枠で必要となる実践的な事務・作業スキルや体調管理に重きを置いているためです。若い方の場合、将来のキャリアを考えてWeb・IT系の就労移行に通うのは良いと思いますが、障害者雇用枠での就職を考えていて確実に就職を目指す方は、事務・作業系の就労移行をおすすめします。

事務・作業系の就労移行が提供するカリキュラムの一例

私がかつて勤めていた事業所のカリキュラムはこちらの通りです。

就活研修就職活動の基本的な知識を身につける研修週に1~2時間
自己理解ワーク当事者同士で自分自身が経験した困りごとを共有し、解決法を話し合う研修週に4~6時間
PC研修パソコンの基本的な内容からエクセル関数の初歩レベルを教える研修週に1~2時間
職業トレーニング職場形式で上司役の職員とコミュニケーションを取りながら業務を進める週に10時間以上

コンテンツとして多かったのは、職業トレーニングと自己理解ワークでした。事務系の中でもコミュニケーション力と自己理解(障がい理解)に力を入れていました。ただ、施設によって力を入れるポイントは大きく異なります。例えば、前に見学に行った事業所では、袋詰め作業、仕分け作業、清掃作業など作業系の業務をいかにスピーディーに正確にできているかに力を入れており、コミュニケーションはほぼ無くモクモクと皆さん作業していました。このように事務系と作業系では業務の内容、適性に大きな違いが出てきます。

事務系業務に適性がある人の特徴3つ

適性のある人の特徴は大きく3つです。

・PCの基礎的なスキルや操作方法を知っている
・人とコミュニケーションを取りながら仕事をするのが苦ではない
・一定単調な業務もミス無く正確に行うことができる

各項目、詳しく見ていきましょう。

PCの基礎的なスキルや操作方法を知っている

現在の事務作業には必ずパソコンが必須です。最低限のタイピングスキル、オフィス系ソフトの操作方法がわかっていると良いです。高度な事務系作業になると、エクセルの関数やマクロなども操作する必要がありますが、大半の方には必要ないです。

人とコミュニケーションを取りながら仕事をするのが苦ではない

事務系業務で見落としがちですが、とても大切なのが人とのコミュニケーションが想像以上に頻繁に発生する点です。企画系業務や一つの業務を複数人で切り分けて行うことが実際の職場でもあります。その場合に、疑問点があった場合に適度なタイミングで報連相できるスキルがPCのスキル以上にとても重要です。コミュニケーションは答えがなく苦手という方もいらっしゃるとは思いますが、事務系業務では必須のスキルとして身につけておきましょう。

一定単調な業務もミス無く正確に行うことができる

事務作業の場合は一定、単調な入力業務、集計作業が発生します。その際に、ミス無く正確に業務をすることが求められます。という私も単調な業務は苦手なのですが、1時間ごとに休憩を取る、ミスしないようにシートをつくるなど、どのようにしたら単調な業務でもミスなくやれることができるか工夫してきました。適性がなかった場合もミスがあまりにも多いと業務の幅が狭まってしまうので自分なりの対策法を考えましょう。

作業系業務に適性のある人の特徴3つ

作業系業務に適性のある人の特徴はこちらの3つです。

・単調で変化がない業務が得意。
・人とコミュニケーションを取るのが得意ではない。
・自分のペースで業務を進めたい。

事務系に比べるとより業務が単調でかつ、一人で黙々とする業務が多いです。自閉傾向の強い方や精神系でも体調が不安定で出勤頻度が一定でない方が多い印象です。

事務・作業系の就労移行で一番大切なのは勤怠の安定

これはWeb・IT系の就労移行でも同じ点ではありますが、より事務・作業系の就労移行ではスキル面よりも勤怠の安定が重視されます。というのも、就労移行を卒業した後に働く障がい者雇用の企業では、いかに毎日、通い続けられるかがポイントになるためです。勤怠が不安定な方だと業務を依頼してもいつ上がってくるか見込みが立てづらくなるためです。なので、どんなに高いスキルがある方よりも確実に毎日出勤してくれる人を企業は好みます。障害者雇用枠での就職を念頭に置いている方は各スキルも大切ですが、勤怠が一番大切であることを理解し、体調管理に努めましょう。

施設のカリキュラムが合うか、必ず体験通所をしよう。

これまで色々なことをご説明しましたが、事務・作業系の就労移行に興味を持っている方はまずは見学と体験通所をおすすめします。というのも、自分では適性のあると考えている業務もいざやってみると案外、適性がなかったりイメージと違う場合があるためです。大手総合系の場合、人気でなかなか体験通所ができない場合も多いかと思うのでまずは地場の就労移行を2社ぐらい見学・体験通所した後に自分には合わない場合は大手総合系(リタリコ、ウェルビー、ココルポートなど)の就労移行に見学に行くといいでしょう。見学で見るべきポイントはこちらにまとめています。

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まとめ

いかがだったでしょうか。今回は事務・作業系の就労移行がどのようなカリキュラムを提供し、どのような人が適性があるのか説明してきました。本当に事務・作業系の就労移行は多くあるため、その中で自分にあう事業所を見つけるのは難しいことです。ただ、中小でも実績のある事業所は数多く存在するので、何も考えず大手総合系に行くのは逆に自分の将来の選択肢を狭める可能性もあるのでおすすめはしません。Webなどの情報と合わせて支援機関の方など、色々な人のアドバイスを聞きつつ、自分にあう事業所を探していきましょう。次回はWeb・IT系の就労移行について説明します!

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この記事を書いた人

新卒で就労移行事業所に就職。4年間、現場での直接支援と合わせて施設の立ち上げや施設長、事業企画などを担当。その後、人材紹介会社のマーケティング職に転職し、広告運用、SEO、SNSマーケなどを担当。現在はマネージャーとして後輩の育成に苦闘中。現職の経験を活かしつつ就労移行に関する情報を中立な立場で発信したいと考え、就労移行情報まとめを立ち上げる。

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