こんにちは。就労移行情報まとめです。
就労移行に通おうとしている方の中には就労移行はやめといたほうがいい。就労移行はおすすめしないと言われた方もいるのではないでしょうか?今回は就労移行は「やめとけ」と言われる理由を元大手就労移行の職員が徹底解説します。
就労移行をやめたほうがいいかは人による
就労移行に通う目的が明確な人は利用しよう!
単に働くことが目的の場合は就労移行はやめとけ
就労移行に通う目的を言語化して明確にしよう
就労移行は本当にやめといたほうがいいの?
結論、就労移行はやめといたほうがいいか、利用したほうがいいかはその人によります。就労移行を利用して満足いく体験ができた人は就労移行をおすすめするでしょうし、就労移行で不快な体験をした人は就労移行はやめといたほうがいいと周りの人にいうでしょう。周りの人の経験に基づいた意見も大切ですが、最終的にはその人がどの就労移行を選んで通うかによります。一概にやめといたほうがいいと語れるものでもないですし、通ったほうが絶対にいいというわけでもありません。自分はどちらにあてはまる人間か、この後の就労移行をやめといた方がいい人の特徴、利用した方がいい人の特徴を見て判断してください。
就労移行の問題点はどこにある?代表的なもの3選
では、就労移行はやめとけという方はなぜそのようなことを言うのでしょうか?就労移行の代表的な問題点を3つみていきましょう。
就職できなかった
まず多いのは就職できなかった。希望の就職先に就職できなかったケースです。就労移行に行ければ必ず就職できると考える方も多いと思いますが、そういうわけではありません。
厚生労働省の令和2年度社会福祉施設等調査によると全国の就労移行の就職率は53%。実は就労移行に行った人の半分しか一般就労を実現できていない結果です。どの就労移行を選ぶかによって就職率は大きく変わりますが、データを見ても就労移行を利用するだけでは就職につながらない場合があることがわかるでしょう。
職員や利用者との人間関係で苦労した
次にあるのが、職員や利用者の人間関係に苦労したケースです。就労移行には色々な方が通うので、濃いかつあまり一般社会では発生しない特殊な空間です。それが心地よいという方もいると思いますが、不快に感じる方も多いでしょう。どんな社会でも人間関係で苦労することは大なり小なりあるもの。私のおすすめは自分が就労移行に通う目標をぶらさずに持つことです。その詳細は就労移行を利用した方がいい人の特徴の部分で解説します。
想像していたサービスを受けれなかった
次が想像していたサービスを受けられなかったケースです。例えば、Web・IT系の就労を望んでいるのに実際は一般事務のトレーニングばかりだったなど、自分が想像していたサービスと提供するメニューが異なる場合があります。相当悪質なケースを除いて体験通所せずに入ってしまった。本人はそのトレーニングを望んでいるがその職種での就労が難しく、職員が他のトレーニングをさせているなどが挙げられます。前者の場合は体験通所をすれば概ねこのようなミスマッチは起きません。後者については難しい問題ですが、自分の夢を諦めて就職を目指すことが最善な場合もあります。
就労移行をやめといた方がいい人の3つの特徴
では、就労移行をやめといた方がいい人はどのような方なのでしょうか?代表的なものを3つ上げます。
就労移行に通う目的が漠然としている人
最初は就労移行に通う目的が漠然としている人です。親や支援者に言われたから、よくわからないけど就労移行に通うという方、とにかく就労移行に通ってから目的を決めようという方です。そのような方は就労移行はやめといた方がいいです。後者の場合で途中で目的が見つかる方もいますが、それが就労移行でないと実現できないケースというのはあまりなく後述する就労継続支援A・B型や職業訓練校など他のサービスで実現できる可能性があるためです。毎回お伝えしていますが、まずは就労移行になぜ通うのか目的をしっかり持ちましょう。
とにかく働きたいという人
とにかく働きたいという方は就労移行は基本、おすすめしません。就労移行は働くためのトレーニングをしつつ、体調管理やスキルアップを学ぶところです。とにかく何でもいいから働きたいという方は就労継続支援A・B型や支援機関に相談して就職先を見つけましょう。ただし、支援機関の中には就労移行の利用を勧められる場合もあるでしょう。経歴や病歴から今の状態では就労にするのは難しいと判断しているためです。その場合は、就労移行で体調管理、スキルアップをしてから就職活動したほうがスムーズに進みますので、就労移行の利用をおすすめします。
就労移行に通う目的が夢に満ちている人
これは特にWeb・IT系の就労移行に通う方に多いケースですが、そのような就労移行に通ったら必ず自分もWebデザイナーやITエンジニアになれると夢見ているケースです。夢を見ることは大切ですが、必ずしも思い通りになるとは限りません。私が支援員をしていた当時の経験だと本当に希望の職種につける人はだいたい5%。20人中1人ぐらいです。それ以外の人は希望とは違う職種に進んでいるのが現実です。そのような現実が見えてきて急に冷めてしまい、就労移行はやめといたほうがいいと結論づける方がいます。そうならないように、うまくいかないケースも考えておくことをおすすめします。
就労移行を利用した方がいい人の特徴
逆に就労移行を利用した人がいい人の特徴も3つ紹介します。
就労移行に通う目的が明確にある人
就労移行に通う目的が明確にある人はおすすめです。例えば、体調管理に課題がありその対策と勤怠の実績をつけたい。自分で就職活動したがうまくいかず、サポートを受けながら就職活動をしたいなどです。目的が明確にあればあるほど、どの就労移行が自分にあっているか判断しやすくなります。就労移行に通おうと考える際は、まず就労移行に通う目的をしっかり言語化して書き出すことをおすすめします。
今は働くのが不安な人、段階を踏んで就職まで向かいたい人
次に利用した方がいい人は、今は働くのが不安であったり、段階を踏んで就職まで向かいたいと思っている人です。長期間体調不良が続いていて今すぐに就職は不安、まずは通勤練習をしてみてどれぐらい自分に体力があるか試してみたいなど、働きたい気持ちはあるし、頑張れば働けそうだけど、少し不安。。。という方に就労移行はおすすめです。まずは働くための試験期間という位置づけで就労移行を使ってみましょう!
夢と現実とのギャップがあっても軌道修正できる人
さきほどのやめといたほうがいい人の特徴で上げたように、就労移行に通っていると思ったほど自分のスキルが伸びない。希望していた企業に就職できなさそうなど、思いがけないトラブルに遭遇することが多々あります。そのときに折れずに軌道修正しながら、走り続けることができるかが非常に重要なポイントになります。就労移行を利用した後の会社でも思った通りいかないことは多々あるでしょう。その中で折れずに軌道修正していくことの大切さを理解し実行できるかがその後の人生でも活かせる貴重な経験になります。
就労移行以外の選択肢はあるの?
では、上の内容を読んで就労移行はやめといた方かなぁと思った方に他にどのような選択肢があるのか代表的なもの2つ紹介します。
就労継続支援A・B型を利用する
まずは就労継続支援A型、B型の利用を考えてみましょう。A・B型の違いは大まかにいうと最低賃金が支払われるか?と、どれだけ働けるかに依ります。働けるかとりあえずやってみたいという方はB型。直近、働いていた経験があって、勤怠にも自信があるという方はA型を検討しましょう。就労移行と違い、どちらもすぐに働いて給与を得られるのでトレーニングするよりもとにかく働いて収入を得たいという方にはおすすめです。
職業訓練校
次が職業訓練校を使うケースです。職業訓練校とは、こちらの記事にある通り、失業中または求職中の人が再就職を目指して技術を身に付けるための「職業訓練」を提供する施設のことです。
就労移行との大きな違いは障害者以外も対象となる点とスキルアップに主眼が置かれている点です。特にWEB・IT系の就労移行に通う予定の方で、通う目的がスキルアップのみの方は職業訓練校も選択肢に入れるといいでしょう。職業訓練校の場合は給付金制度なども充実しているのでその点でも魅力です。ただ、実際の希望職種での就職実績はWEBIT系の就労移行とほぼ同じぐらい(20人に1人ぐらい)の場合があることは注意しておきましょう。
入った後後悔しないために就労移行を選ぶコツ3つ!
最後に自分が就労移行やめとけとならないように、就労移行を選ぶコツを紹介します。詳細はこちらの記事を参考にしてください。
自分が就労移行に通う目的は何か?
最初にポイントになるのはなんのために就労移行に通うのか?という目的です。この目的を言語化して、自分の中で意識させることが非常に大切です。またそれが本当に就労移行でないと実現されないのかも合わせて考えてみましょう。特にWEBIT系の就労移行を考えている方は職業訓練校との違いは何か?なぜ自分はWEBIT系の就労移行に通うのか今一度考えてみてください。
その目的にあうカリキュラムを提供しているか?
次にその目的にあうカリキュラムを自分が通いたいと考える事業所が提供しているか確認してみてください。そのときに大切になるのが譲れるポイントと絶対に譲れないポイントです。100%完璧な就労移行は存在しないので、どこかで選ぶ必要が出てきます。その際にどこを譲歩するかは大切なポイントになるのでぜひ、考えておきましょう。
実績が豊富にあるか?
最後は実績がどれぐらいあるかという点です。ここでいう実績は大きく2つにわかれます。就職実績と施設に対する満足度です。この2つ繋がっているようで繋がっていないケースが多々あります。就労移行の利用の目的として就職すること(就職実績が高い)は大切ですが、毎日通う施設の雰囲気が良くない(施設に対する満足度は低い)のはあまり良いとは言えません。実際のところどうなのか見学や体験通所で確認してみてください。
より詳細はこちらの記事に記載しているので気になる方は確認してみてください。

まとめ
いかがでしたでしょうか?冒頭にも書きました通り、就労移行やめとけというのは人によって意見が大きく変わります。最終的にはその人それぞれの経験と運次第にはなってしまうのですが、それでも自分も就労移行はやめといたほうがいいのか、自分は通ったほうがいいのかその理由を言語化し、意思決定することが大切です。その決定がうまくいかなかったとしても自分で考えて行動したのが貴重な経験になるからです。皆さんが良い決定を下せるようにこれからコンテンツを作成していきますので次回もお楽しみに!!