今回はキズキビジネスカレッジについて解説します!うつや発達障害の方に特化した就労移行支援事業所で直近、大阪に新施設を開設するなど勢いのある施設です。会計、英語、Webマーケなどの専門スキルを学ぶことができるようですが具体的にどういう特徴があるのか、最新情報を元大手就労移行の支援員で現役のWebマーケターが徹底解説します。
キズキビジネスカレッジはうつ・発達障がいに特化した就労移行支援事業所
就職率83%。高い就職率と障害者雇用以外の就職実績も多数
会計、英語、Webマーケなどワンランク上の専門スキルを学べる
時給1,500円の工賃業務などお金の心配なく訓練を受けれる仕組みも
キズキビジネスカレッジの概要
キズキビジネスカレッジは株式会社キズキが運営する就労移行支援事業所です。キズキの特徴は社長や役員に発達障害の当事者がいる点です。当事者であるからこそ、他の就労移行を展開している会社よりも当事者意識が強く、高い志で事業を展開されています。もちろん、株式会社である以上利益を上げることを重視しつつも当事者に寄り添ったサービス提供をモットーに施設運営をしている点は特徴です。事業所は全部で4店舗、新宿エリア2店舗、横浜、大阪に1店舗ずつあります。(2024年5月1日現在)
どういう人が通っているの?
ではそんなキズキビジネスカレッジですが、どういう方が通われているのでしょうか?HPを見ると対象障害はうつ・発達と精神障害のある方に特化した施設になっています。私が支援員時代に施設を見に行った印象ではうつや発達でも配慮を受けるか迷っている、健常者枠での就労か雇用枠かで迷っているという方が多い印象でした。中には起業を考えている方もいるなど、既存の就労移行のモデルにとらわれず当事者がやりたいことを見つける場所という自由な雰囲気がありました。
キズキビジネスカレッジの特徴3選
次にキズキビジネスカレッジの特徴を3つご紹介します。
就職率83%。高い就職率と障害者雇用以外の就職実績も多数
キズキビジネスカレッジの特徴は高い就職率×雇用枠外を含めた多種多様な就職先です。ミラトレやatGPジョブトレのように高い就職率を上げる事業所は他にも存在しますが、雇用枠外を含めた多種多様な就職先がある点は、他の施設にはない大きな特徴です。HPに載っている情報によると、障害をオープンにしない。いわゆるクローズ就労が44%となっています。他の施設ではこのようなデータを開示していませんが、私の感覚ではクローズ就労する方は全体の5%ほど。それと比較するととても高い割合です。この結果を見ても、既存の就労移行にとらわれず、クローズ就労も視野に入れている方におすすめといえるでしょう。
また、就職された方の職種では、31%と3名に1名がIT専門職での就労を実現しています。就労移行ITスクール(41%)など他のIT専門スクールに比べても遜色のない数値で、IT専門職での就労を考えている方も選択肢の1つとしておすすめです。IT専門職が具体的にどのような職種なのか具体的な記載はありませんが、口コミを拝見しているとWebデザイナーなどWeb系の職種もIT専門職としてカウントしているのではと推察されます。IT専門職といっても幅が広いので、自分はこの職種での就労を考えているという方は見学の際にその職種に向けたカリキュラムや就職先があるのかはあらかじめ確認しておくことをおすすめします。

会計、英語、Webマーケなどワンランク上の専門スキルを学べる
具体的なカリキュラムは大きく7つのカリキュラムを提供しているようです。すべてのカリキュラムを実習するというわけではなく自分の興味のあるカリキュラムを選択してご自身で探求しているスタイル。カリキュラムによっては実習案件があるもの、ないものなどカリキュラムによる差はあるようなので、学びたいカリキュラムが決まっている方はどれぐらいまで学べるのかあらかじめ確認しておきましょう。
会計・ファイナンス
会計の基礎知識を学習するカリキュラムです。授業の後半では実際の知識を使って、グループワークをやるとのこと。就労移行で会計・ファイナンスを行っている施設は珍しく、興味のある方はぜひ体験してみましょう。
英語
英語のビジネスメールを中心に学習して、実際の企業やNGOの翻訳案件に挑戦するカリキュラムです。ボキャブラリーや実践的な英語の文章作成力をつけることができるカリキュラムです。
Webマーケティング
Webサイトの収益を上げるための施策を考えるカリキュラムです。初歩から学習できる安心のカリキュラムのようです。こちらは実習案件などの記載は見られませんでした。
Webライティング
実際にWeb記事を作成するコース。後ほど説明するキズキBPOというサービスで工賃を稼ぎつつ実務経験を積むことができます。実際にキズキビジネスカレッジのHPに記事をアップロードして検索順位を確認することができるようです。
Excel/PowerPoint 基礎
エクセル、パワーポイントなどPCの基本スキルを身につけるトレーニングです。こちらはPC初心者の方向けのカリキュラムのようです。
動画制作
動画編集ソフトの王道であるAdobe Premiere Proを使って、SNSやYoutubeで動画公開までを学べるカリキュラムです。こちらは講義や自習で学ぶカリキュラムのようです。
Webデザイン(illustrator・Photoshop)/プログラミング
最後がWebデザインのコース。いわゆるコーダー領域(HTML・CSS)とバナー制作(Photoshop・Illustrator)などの基礎的なデザインスキルを学習するカリキュラムのようです。
時給1,500円の工賃業務などお金の心配なく実践的な訓練を受けれる仕組みも
キズキビジネスカレッジの特徴として、工賃が発生する業務を受けれる点があります。
キズキBPOというサービスで時給1,500円でWebライティング業務の実務経験を積むことができます。一般的な就労移行は工賃業務はなく、通っている期間は貯金や社会保障で通う形になります。未経験者に1,500円をお支払いをしているかは不明ですが、都内の最低賃金以上の金額を受けつつ実務経験を詰めるのは金銭面に不安のある方にとってはかなり心強いサービスではないでしょうか?

キズキビジネスカレッジの口コミ・評判
キズキビジネスカレッジの実際の口コミや評判を見てみましょう。まずは良い口コミです。
約1年間、キズキビジネスカレッジ新宿校に通所された方の口コミです。キズキビジネスカレッジの特徴である「当事者に寄り添ったサービス提供」でその方のペースに合わせて柔軟に通所を調整でき、ご自身の希望していたWebデザイナーの職種に就職できたようです。大手総合系にありがちな型にはめたカリキュラムや通所頻度などが合わないという方に合いそうです。
次は悪い口コミです。
キズキビジネスカレッジ 新宿御苑校を見学された方からのワンランク上のカリキュラムや施設の雰囲気に対する口コミでした。カリキュラムについては施設で提供するカリキュラムはあくまでも、さわりの部分に過ぎません。そこから興味を持って、自分自身で自走できる好奇心がないと習得は難しいといえるでしょう。毎回お伝えしていることではありますが、IT・Web系など専門性の高いカリキュラムを学習する場合は施設が提供するカリキュラムだけで実践的なスキルを身につけることはほぼ不可能ですのでご自身で自走して習得できる気概がない方はやめたほうがいいでしょう。

キズキビジネスカレッジがおすすめな人3選
これまでの内容を踏まえて、キズキビジネスカレッジを特におすすめしたい方はこのような方です。
オープン就労かクローズ就労にするか迷っている方
キズキビジネスカレッジはクローズ就労の割合が44%と他の就労移行に比べて高いのが特徴です。障害者雇用枠(オープン就労)で働くべきか、クローズ就労が良いか、迷っていている方。プロの支援員に過去の就職した方の事例も踏まえて適切なアドバイスを受けたいという方はおすすめです。
ワンランク上の専門スキルを磨きたい方
ワンランク上の専門スキルを身につけたい方にもおすすめです。会計・ファイナンス、英語は他の就労移行ではあまり見られないカリキュラムになっています。実務経験がつめるWebライティング、英語は就職する際に実務経験があるという点で大きなアドバンテージになります。どのスキルを身につけたいかは人によりますが、なるべく実務や実習経験ができるものを検討すると実際の業務につける可能性が高くなるでしょう。
枠にはめる支援が合わない人
冒頭で説明しました通りキズキビジネスカレッジの特徴として、当事者に寄り添ったサービス提供をモットーにしている点から、ある程度はその方の状況に応じて通所頻度などを調整することが可能です。口コミでもありました通り、通所したてで体調が不安な時期は週1~2回から徐々に増やしていくなど、柔軟に調整できるようなので見学のときに自分の希望する通所スタイルについて、相談しましょう。
まとめ
今回はキズキビジネスカレッジについて評判や口コミを中心に2024年5月の最新情報を解説してきました。個人的にはキズキビジネスカレッジは一番応援したい就労移行です。役員で発達障害当事者の林田さんとお話する機会が年に数回あるのですが、本当に当事者のために真剣に事業展開していることがひしひしと伝わってきます。徐々に規模も大きくなって事業所も増えてきていますが、当事者目線でしっかりと運営されているサービスだと自信をもっていえますので、この記事を読んで興味の出た方はぜひ見学してみてください。